月収200万の憂鬱
こんなことを書くと反感を買うかもしれないが、
月200万くらい稼げるようになったばかりの頃、
僕は暇で暇でしょうがなかった。
2010年頃の話だ。
その数カ月前までは僕はダイソーで時給700円でレジを売っていた。
大学は休学していた。
ネットビジネスを始めて数ヶ月後、
それまで忙しく日々を送っていた僕の元に、
突然膨大な時間とお金が手に入った。
365日、24時間。
すべての時間が自分の自由になる状況を想像してみてほしい。
まさに永遠の夏休み状態。
こんな小学生の妄想じみた状況が、
まさか現実に自分の身に訪れようとは、夢にも思わなかった。
勝手に作ったブログやサイトが働いてくれた。
夜寝て朝起きたら10万円くらい報酬が発生していることがよくあった。
お金の使い方なんて知らなかった。
それまで牛丼に卵をのせることをためらうほど貧乏だった。
田舎だしテレビも見ないので、物資的欲望が刺激されることも少なかった。
とりあえず欲しかった本をまとめ買いしてみた。
興味のあった楽器も買ってみた。
親の借金もヤバそうなところから返した。
そうしている間もずっとふわふわした浮遊感があった。
ある意味放心状態とも言えるかもしれなかった。
寝たいだけたっぷりと寝て、
カフェで読みたかった本を読んで、
楽器を指が痛くなるまで練習して、
飽きるまでネットサーフィンをしても、
まだ一日が終わらなかった。
正直時間を持て余した。
それまでの僕のモチベーションと言えば、
労働やお金に束縛された人生から解放されたいという強烈な欲求だった。
好きなときに、好きな人と、好きなことをする自由を手に入れたい。
一度きりの自分の人生を、思い切り自分のために使いたい。
そうした人生をかけた目標を、
ほとんど瞬間的ともいえるほど短い時間の間に叶えてしまった僕は、
一時的に漂流してしまった。
それ以上お金を稼いでも使い道なんて想像できなかったから、
1日1時間程度のメンテナンス作業以外、ほとんど何もしなくなった。
自由になったといっても、友人達は自由じゃなかったし、
4年つきあった彼女にも振られていたから、
必然的に僕は多くの時間を一人で過ごした。
田舎だから起業家のコミュニティのようなものもなかった。
家の近くに温泉街があった。
平日の昼間は老人ばかりだった。
人生の勤めを終えて、弛緩しきった老人達の皮膚を眺めながら、
来る日も来る日も呆然と湯に浸かった。
適当に旅行もしてみた。
混雑する連休を避け、平日に行動した。
どの観光地に行っても老人だらけだった。
彼らはいつも緩慢に歩きながら、
顔をしわくちゃにして笑ったり喋ったり怒ったりしていた。
俺の世界は老人ばかりになってしまったぞと思った。
自分の体までしわしわになっていく気がした。
・はじめに
・第1部「僕の人生から就職が消えた」
・第2部「月収200万円の憂鬱」
・第3部「起業に興味のない起業家」
・第4部「燃え上がる家、没落の父」
・第5部「麗しき労働の日々」
・第6部「地獄のような労働との遭遇」
・第7部「労働、この恐るべきもの」
・第8部「システムの隅っこにあいた風穴」
・第9部「僕はアフィリエイトで生きていこうと思った」
・第10部「100万円という札束」
・第11部「資本主義のてっぺんらへん」
・第12部「香港旅行中にサラリーマンの年収分稼ぐ」
・第13部「手に入れた自由な人生」
感想はこちらからどうぞ⇒メールフォーム
面白い!と感じたらシェアをお願いします!
ブログランキングに参加しています。
読んでくれた証拠にぽちっとクリックしてくれると喜びます^^
↓↓↓
アフィリエイトで1億円稼いで自由になった元皿洗いのブログ TOPへ
この記事へのコメントはありません。