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現在軽井沢に来ています。

那須、伊豆・熱海に続き、
関東近辺の観光地制圧計画を実施中です。

といっても今回は観光が目的というよりは、
ひたすらのんびりリラックスするのが目的ですが。
大自然の中でしばらく隠居生活を楽しもうと思います。


今は星のやという滞在型リゾート施設に宿泊しています。
集落がまるごとホテルになっているところです。
森の谷間に点々と離れ家のような客室が並びます。

宿泊客に振る舞われる郷土料理「おやき」とともに。
中には野沢菜が入っています。
もちもちした食感とほどよい塩味。

星のやは二泊以上の宿泊が基本条件となっています。
いつも予約でいっぱいらしいですが、
オフシーズンなので直前でもあっさり予約をとれました。

というか軽井沢全体がどこへ行ってもガラガラです。
5月になったら大変なことになるんでしょうけどね。
その前に退散します(笑)



集落は宿泊客しか立ち入ることができず、
フロントでチェックインすると車で部屋(家？)まで案内されます。

電柱などの人工物は一切見えないよう工夫され、
都会の喧噪は聞こえず、自然と一体化したかのような感覚です。
聞こえるのは部屋の前を流れる川のせせらぎと鳥の声だけです。
あちこちにサギやらカモやらがいます。
ムササビとかも見れるようです。

運転してくれたスタッフさんに、
「この集落は異空間なので、現実社会のことは忘れてゆっくりおくつろぎくださいね」
と説明されました。

部屋にはあえてテレビも置かれていません。
一般社会から隔離されています。
集落ではみんな浴衣か作務衣で歩き回ります。
(といっても一応共有スペースに行けばテレビや新聞があります。
あとネットは繋がります)



部屋のタイプも色々あったのですが、
今回は川沿いの人気の部屋にしてみました。

この記事もこんな場所で書いています。
ノマドです。

夜はこの川に水行灯が流れて、幻想的な空間になります。

このホテルを経営している星野リゾートの
星野社長はわりと有名な経営者で、
経営不振に陥ったリゾート施設や旅館を再生する手腕で知られます。

基本的に星野社長は価格競争はせず、高級志向をおし進めます。

実際星のやは何もかもが高いです。
宿泊料はもちろんですが、食事や飲み物も立派なお値段がします。
おにぎりが1000円です。

でも、軽井沢ではおそらく一番人気のホテルです。
高くてもお客が喜んでやってくるんですよね。

結局人がなぜ旅行をするのかと言えば、非日常を味わいたいからです。
見たことのないもの、食べたことのないもの、
体験したことがないものに触れるためです。
星のやはそれを他より徹底して実現しているので、
多少お金を持っている層はこぞって星のやを選びます。

星野社長はこの非日常の演出にはかなり凝っていて、
例えば星野グループの別の施設では、
わざと聞き取りにくい津軽弁でお客を接客したりするそうです。
すると「東北にやってきた」という実感が湧いて、
東北らしさを求めてやってきたお客が喜ぶのです。



それに非日常感の演出って、高いものを売る上で
ものすごく重要な要素だと思います。

非日常空間ではお客の金銭感覚が麻痺するからです。


商品の売り方の一つに「興奮させて売る」というのがあります。

たとえばお祭りでは、たいしておいしくもないたこ焼きに
みんな500円も600円も出したりします。

ディズニーランドのメニューは基本的にどれも高いですが、
みんな特に疑問も持たずに注文します。

びっくりするくらいおしゃれなカフェでは、
コーヒーが1杯1000円してもみんな満足して帰っていきます。

先日リッツカールトンで僕が注文したオレンジジュースは1200円でした。
(「100円のコーラを1000円で売る方法」という本がありますが、
高級ホテルや高級レストランでコーラを注文したら普通にそれくらい取られます。)



結局価格を決めるのは商品の内実よりもむしろ「雰囲気」です。

雰囲気が圧倒的に良ければお客は興奮するので、
財布の紐がゆるゆるになります。
そしたら高い食べ物でも飲み物でも勢いに任せて奮発してくれます。

そして高いお金を支払ったという事実と、
普段滅多に食べない料理にさらに興奮して、
勝手に満足度MAXになって帰っていきます。


僕も普段と違う雰囲気にのせられて、
高いものをたらふく飲み食いしてしまったので、
帰る頃には請求書の中身がなかなか楽しいことに
なっているんじゃないかと思います。

まあ価格が高いとはいえ、
実際あらゆる面でクオリティは高いので、
俗世を忘れて隠遁したい人にはおすすめです。

手っ取り早くセミリタイア気分を味わえますよ。



PS.

24時間解放されているライブラリースペース。
みんなソファーに寝っ転がって本読んだりパソコンしたりしてます。
お茶やお菓子が無料。
なかなか居心地いいです。

レストラン。
地味真髄というコースをいただきました。

ビールな気分だったのでビール。

春の新芽とたにしの木の実和え。
たにしって子供の頃は近所の川にたくさんいたのですが、
最近はめっきり見かけなくなってしまいました。
サザエみたいな味です。

八寸。
色々な料理の詰め合わせ。

鯛煮麺。
鯛の身を煮麺(にゅうめん)で巻いたもの。
いいダシの風味。

鯉の刺身とエビのすり身。
鯉って上品な味ですね。
エビも大葉が効いてていい香り。

山菜の天ぷら。
塩でいただきます。

信州和牛のサーロインステーキ。
キタ━━━━ヽ(ﾟ∀ﾟ )ﾉ━━━━!!!!

ニンニク醤油か塩ワサビでいただきます。
外側カリカリ、中フワトロです。
かじった瞬間甘い肉汁が飛び出してきます。
そしてワサビがものすごく良い香り。
たっぷりつけても辛くない。
肉のうまさをさらに引き立ててくれます。
やるな、信州和牛。


はまぐりのスフレ。
大きなはまぐりをはまぐり味の泡で包んだものです。
色んな料理を考え出すものですね。

うすいご飯とみそ汁。
長野は味噌の名産地です。

最後は桜あんみつ……！
でも写真撮り忘れました。



PPS.

白糸の滝に寄ってみました。
すごく綺麗な滝ですね。
那智の滝は高みから真っ逆さまに落ちる一条の滝でしたが、
こちらは無数の糸がまるでぶら下がっているかのようです。
なんというか、女性的です。

すぐ側まで行って滝に触れることもできました。
まだまだ水は冷たいですね。

石の教会という所にも行ってみました。
星のやの近くにあります。
すべて石でできている珍しい建築です。

PPPS.

人気の少ない観光地はいいですね。
こういう場所に好きなだけのんびり滞在できるようになったのが、
ネットビジネスをやってきた自分への一番のご褒美だと感じます。

今日はゆっくりして、明日はまた適当に観光してみようと思います。
観光して、休んで、観光して、休んで、くらいのペースがちょうどいいですね。
飽きたときにふらっと帰ります。